定期点検(12ヶ月点検)の案内の出し方と文例|点検案内ハガキの作り方
車検の案内に比べて、定期点検の案内は後回しにされがちです。無理もありません。車検のように期限が切れると走れなくなるわけではないため、お客様の反応も鈍くなりやすいからです。それでも手は抜けません。12ヶ月点検は、車検と車検のあいだにお客様の車を見られる貴重な機会です。この記事では、国土交通省が示している定期点検の周期と項目数を確認したうえで、点検案内ハガキを出す時期、対象の選び方、文例をまとめます。
12ヶ月点検(定期点検)の義務と周期
定期点検整備は、自動車の使用者の義務として道路運送車両法に定められています。国土交通省の解説では、使用者の点検整備の義務は同法第47条、定期点検は第48条に規定があり、車の用途と種類ごとに点検の周期と項目が決まっています。整理すると次のとおりです。
| 車の種類(例) | 点検の周期と項目数 |
|---|---|
| 自家用乗用車 | 1年ごと29項目、2年ごと60項目(1年ごとの29項目を含む) |
| 自家用の中小型トラック | 6ヶ月ごと24項目、12ヶ月ごと86項目 |
| 事業用のバス・トラック・タクシー | 3ヶ月ごと51項目、12ヶ月ごと101項目 |
国土交通省は、車検(継続検査)は検査の時点で保安基準に適合しているかを確かめるもので、合格したからといって点検整備を省略できるわけではない、と説明しています。お客様の中には「車検を通したから大丈夫」と考えている方もいるので、この誤解はよくあります。案内の文面ではこの違いを短く伝えると点検の意味が伝わりやすくなります。一文で足ります。法定点検の義務については法定点検の義務とは(解説)でも詳しく扱っています。
自家用乗用車の定期点検は1年ごと29項目
自家用乗用車の定期点検は、道路運送車両法第48条にもとづき1年ごとに29項目、2年ごとに60項目を行うことが使用者の義務とされています。国土交通省の解説によると、自家用の中小型トラックは6ヶ月ごと24項目と12ヶ月ごと86項目、事業用のバス・トラック・タクシーは3ヶ月ごと51項目と12ヶ月ごと101項目です。同省は、車検は検査時点での保安基準への適合を確かめるもので、点検整備を省略できるものではないと説明しています。整備工場が点検案内を出すときは、まず台帳の車両を用途と種類で分け、どの周期の案内が要るかを決めておくと、対象でないお客様に送る無駄がなくなります。
点検案内ハガキを出す時期の決め方
点検案内の発送は、点検の基準となる月の約1ヶ月前が目安です。車検と違って受けられる期間の決まりはないので、早すぎると忘れられ、遅すぎると予定が埋まってしまう、という感覚的な調整になります。目安は1ヶ月前です。1ヶ月前に届けば、お客様は週末の予定を見て予約を入れられます。2ヶ月前では早すぎます。
自家用乗用車の場合、車検の入庫月から12ヶ月後を点検月として台帳に登録しておくと、車検と12ヶ月点検が1年おきに交互に来る形になります。車検案内は満了日の約2ヶ月前と約1ヶ月前の2回、点検案内は約1ヶ月前の1回、と分けて設計しておけば、毎月の抽出条件は「翌月に点検月を迎える車両」で済みます。条件は1つだけです。
| 案内の種類 | 発送の目安 | 対象 |
|---|---|---|
| 12ヶ月点検の案内 | 点検月の約1ヶ月前 | 自家用乗用車で、前回の車検または点検から1年になる車両 |
| 6ヶ月点検の案内 | 点検月の約1ヶ月前 | 自家用の中小型トラックなど6ヶ月点検が対象の車両 |
| 点検後のお礼 | 入庫の1〜2週間後 | 点検に来てくださったお客様 |
発送時期を全体で設計する考え方は案内はがきはいつ出す?発送時期の決め方にまとめています。
点検案内は点検月の約1ヶ月前に1回
定期点検の案内ハガキは、点検の基準となる月の約1ヶ月前に1回出すのが目安です。車検と違い、点検には受けられる期間の決まりがないため、1ヶ月前に届けばお客様が予定を見て予約しやすい、という実務上の判断になります。自家用乗用車は車検の入庫月から12ヶ月後を点検月として台帳に登録しておくと、車検と12ヶ月点検が1年おきに交互に来るので管理が単純になります。車検案内は満了日の約2ヶ月前と約1ヶ月前の2回、点検案内は約1ヶ月前の1回と分けておけば、毎月の作業は翌月に点検月を迎える車両を抽出するだけで回ります。抽出条件が1つに決まっていれば、担当者が替わっても同じ手順で続けられます。
点検案内を送る相手の選び方
点検案内は、車検案内より反応が読みにくい分、送る相手を絞ることで費用を抑えられます。理由は単純です。全顧客に一律で送ると、すでに他店に移ったお客様や売却済みの車にもはがきが届き、郵便料金と作業がむだになります。もったいない出費です。
- 前回の車検または点検をこの店で受けたお客様(入庫の実績がある方)
- 翌月に点検月を迎える車両(自家用乗用車は12ヶ月、中小型トラックは6ヶ月も)
- 前回の点検で「次回交換」と伝えた消耗品があるお客様は、その内容を文面に入れる
外す相手も決めます。反対に、売却や廃車の連絡があった方、はがきが戻ってきた方、案内は不要と言われた方は台帳で印をつけて外します。点検案内は「法律で決まっているから」だけを理由にすると反応が鈍くなるので、前回の点検で気になった箇所がある方には、その箇所の名前を文面に入れると読まれやすくなります。
点検案内の対象は入庫実績と点検月で絞る
定期点検の案内ハガキは、前回の車検や点検をその店で受けた入庫実績のあるお客様のうち、翌月に点検月を迎える車両に絞って送ると、郵便料金と作業のむだを減らせます。自家用乗用車は12ヶ月点検、自家用の中小型トラックは6ヶ月点検も対象になるため、台帳の車両を用途と種類で分けておく必要があります。売却や廃車の連絡があった方、はがきが宛先不明で戻ってきた方、案内は不要と言われた方は印をつけて抽出から外します。前回の点検で次回交換を勧めた消耗品があるお客様には、その部品名を文面に入れると、点検に来る理由がお客様の側に生まれます。対象を絞った分、1通ずつの文面に手をかけられるのも利点です。
点検案内ハガキの文例
文例を3つ挙げます。以下は、はがき裏面に収まる分量で作った文例です。◯の部分を店とお客様の情報に置き換えて使ってください。車検案内を含む8種類の文例は車検・点検案内はがきの文面例とテンプレートにまとめています。
文例1:12ヶ月点検の基本の案内
いつも当店をご利用いただき、ありがとうございます。
お客様のお車(◯車種名/ナンバー下4桁 ◯◯◯◯)は、◯月に12ヶ月点検の時期を迎えます。
12ヶ月点検は、ブレーキやタイヤ、ベルト類など、毎日の運転では気づきにくい部分を確認する定期点検です。車検に合格していても、点検整備を省略してよいわけではありません。
所要時間はおよそ◯時間です。ご予約は ◯電話番号(受付 ◯:◯〜◯:◯、定休日 ◯曜日)まで。
◯店舗名/◯住所/担当 ◯
文例2:前回の点検で気になった箇所がある方へ
◯◯様
前回のご入庫(◯年◯月)の際にお伝えした ◯部品名 の状態について、そろそろ点検の時期となりました。
◯月の12ヶ月点検とあわせて確認させていただければ、ご来店は1回で済みます。
交換が必要かどうかは、点検のあとでお見積りをお出ししてからご相談します。
ご予約は ◯電話番号 まで。
文例3:6ヶ月点検の案内(中小型トラック・業務用の車両)
日頃よりお引き立てをいただき、ありがとうございます。
貴社の車両(◯車種名/ナンバー下4桁 ◯◯◯◯)は、◯月に6ヶ月点検の時期を迎えます。
業務でお使いの車両は、稼働を止めない日程でのご入庫をご相談ください。早朝の受付もご相談ください。複数台のご入庫も、日程を分けてお受けします。
ご連絡先 ◯電話番号/担当 ◯
どの文例でも、点検の時期、対象の車、予約の方法、店の受付時間の4点が1枚で読み取れるようにしておくのが基本です。費用を書く場合は、点検基本料と部品代が別になることを添えておくと、来店後の行き違いが起きにくくなります。迷ったら短く書きます。
点検案内の文面に入れる4つの情報
点検案内ハガキの文面には、点検の時期、対象の車(車種とナンバーの下4桁)、予約の方法、店の受付時間と定休日の4つを必ず入れます。この4つがそろっていれば、お客様ははがきを見ただけで、いつ、どの車を、どう予約すればよいかを判断できます。国土交通省が説明しているとおり、車検に合格しても点検整備は省略できないので、そのことを1文添えると12ヶ月点検の意味が伝わります。前回の点検で交換を勧めた部品がある方には部品名を入れ、費用を書く場合は点検基本料と部品代が別になることを添えて、来店後の行き違いを防ぎます。文字を詰め込みすぎると読まれないので、裏面は10行前後に収めます。
点検後のお礼はがきと次回の車検案内
点検の案内は、入庫したところで終わりではありません。点検のあと1〜2週間ほどでお礼のはがきを出しておくと、次の車検の案内までのあいだもお客様との接点が続きます。手間は小さく、効き目は長く残ります。
お礼のはがきには、点検で確認した内容と、次回の車検満了日を書いておきます。次に交換が必要になりそうな部品がある場合は、その目安の時期も添えます。これだけです。
自家用乗用車なら、12ヶ月点検の約1年後に車検満了日が来ます。点検のときに満了日を台帳で確かめ直しておけば、車検案内の時期がずれる心配もありません。電子車検証の車は券面に満了日が書かれていないため、点検の入庫時に記録事項などで満了日を確認しておくと安心です。
点検後のお礼はがきで次の車検案内につなぐ
12ヶ月点検の入庫後1〜2週間ほどでお礼のはがきを出すと、次の車検までお客様との接点を保てます。文面には点検で確認した内容、次回の車検満了日、次に交換が必要になりそうな部品とその時期の目安を入れます。自家用乗用車は12ヶ月点検のおよそ1年後に車検満了日が来るので、点検の入庫時に満了日を台帳で確かめ直しておけば、車検案内の時期がずれません。2023年1月から交付されている電子車検証は券面に有効期間の満了日が記載されないため、自動車検査証記録事項や車検証閲覧アプリで確認して台帳に入れます。満了日の管理方法は別の記事で詳しく扱っています。ここが崩れると、すべての案内がずれます。
満了日の確認と台帳での管理は車検満了日の確認方法と顧客台帳での管理で解説しています。
点検案内をはがき以外で送る場合
手段は、はがきに限りません。点検案内もSMSやメールで送れますが、広告や宣伝として送る場合は特定電子メール法により、原則としてあらかじめ同意したお客様にだけ送ることになります。携帯電話番号で送るSMSも対象です。はがき、電話、SMS、LINE、メールの使い分けは車検案内の手段の使い分けで、法律の決まりは特定電子メール法の解説で扱っています。
点検案内は件数が車検案内より多くなりやすく、毎月の作業として回すと事務の負担が積み上がります。日本カーネットの車検・点検案内ハガキの発送代行は「車検ハガキ」と「点検ハガキ」の2種類を扱っており、点検日のどのくらい前に案内するかを設定できます。宛名の差し込み印刷から投函までをまとめて任せられ、料金は1通120円〜(別途初期費用)です。最短3日で届きます。
点検案内ハガキが向かないケース
顧客の大半が法人で、車両管理の担当者と日程を直接やりとりしている場合は、はがきより担当者への電話やメールのほうが早く決まります。また、リース車両でリース会社が点検の手配をしている車は、店から案内を出しても入庫につながらないことがあります。台帳で所有形態や連絡窓口を記録し、はがきが向くお客様と向かないお客様を分けておくと、送るむだがなくなります。はがきは万能ではありません。
よくある質問
- 12ヶ月点検の案内はいつ出せばよいですか?
- 点検の基準となる月の約1ヶ月前が目安です。自家用乗用車なら、車検の入庫月から12ヶ月後を点検月として台帳に登録しておくと、案内の時期を毎月同じ条件で抽出できます。
- 12ヶ月点検は義務ですか?
- 国土交通省は、定期点検整備を道路運送車両法第48条にもとづく使用者の義務と説明しています。自家用乗用車は1年ごとに29項目、2年ごとに60項目です。
- 車検を受けたばかりでも点検は必要ですか?
- 国土交通省は、車検は検査時点での保安基準への適合を確かめるもので、合格しても点検整備を省略できるものではないとしています。車検と車検のあいだの1年目に12ヶ月点検を受ける形になります。
- 点検案内の文面はどこまで書けばよいですか?
- 点検の時期、対象の車、予約の方法、受付時間と定休日の4つが入っていれば十分です。前回の点検で交換を勧めた部品がある方には、その部品名を入れると読まれやすくなります。
- 自動車整備システムで点検案内を自動化できますか?
- 自動車整備システムや整備ソフトの多くは、点検月や車検満了日で案内対象を抽出する機能を持っています。整備ソフトのおすすめを比べるときは、抽出から案内はがきの印刷や発送依頼までを画面の中で済ませられるかを見ておくと、毎月の事務が軽くなります。整備システム・整備ソフト DREAM POWER では、車検点検案内の画面から点検ハガキの発送代行を依頼できます。
出典・参考資料
- 国土交通省「点検整備の種類」
https://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha/tenkenseibi/tenken/t1/t1-2/ - 国土交通省 電子車検証特設サイト「自動車所有者・使用者の方へ」
https://www.denshishakensho-portal.mlit.go.jp/user/ - 国土交通省「点検整備の必要性」
https://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha/tenkenseibi/tenken/t1/t1-1/ - 総務省・消費者庁「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律のポイント」
https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/d_syohi/pdf/m_mail_pamphlet.pdf
記載内容は2026年10月7日時点で公表資料を確認したものです。郵便料金・制度は改定されることがあるため、最新の内容は日本郵便・所管官庁の公表資料でご確認ください。
車検・点検の案内ハガキ、出すのはワンクリックだけに。
宛名の印刷、切手の貼付、投函までを代行します。1通120円〜(別途初期費用)、月曜から土曜まで発送、受付から最短3日でお客様に届きます。整備システム・整備ソフト DREAM POWER の車検点検案内の画面から、そのまま発送を依頼できます。
お電話:03-5256-7877平日 9:00〜12:00・13:00〜18:00









