特定電子メール法とは|メール・SMSで車検案内を送るときの決まり
メールやSMSで車検の案内を送る整備工場が増えています。はがきより安く、届くのも早いからです。便利な手段です。ただし、広告や宣伝として送るメールとSMSには、特定電子メールの送信の適正化等に関する法律(特定電子メール法)の決まりがかかります。この記事では、総務省と消費者庁が出しているガイドラインとパンフレットをもとに、車検案内を電子の手段で送るときに押さえておく点を整理します。
特定電子メール法の対象になるメールとSMS
特定電子メール法の対象は、営利を目的とする団体や営業を営む個人が、自分や他人の営業について広告や宣伝を行うための手段として送るメールです。整備工場や車販店がお客様に送る案内も、ここに入る可能性があります。規模は関係ありません。
対象はパソコンのメールだけではありません。SMSも入ります。総務省・消費者庁のパンフレットでは、携帯電話やスマートフォン同士で電話番号を使ってメッセージを送受信するサービス、例えばSMSも対象になると明記されています。車検案内をSMSで送る場合も同じ決まりがかかります。
では、車検の案内は広告・宣伝に当たるのでしょうか。ここが分かれ目です。ガイドラインは、商品やサービスを広告・宣伝しようとする内容のメールは特定電子メールに当たり、そうしたウェブサイトへ誘導することが目的に含まれるメールも当たる、としています。一方で、取引上の条件を案内する事務連絡や料金請求のお知らせのように、広告・宣伝の内容を含まず、広告・宣伝のサイトへの誘導もしないものは当たらない、と整理しています。
車検の案内は、たいてい「当店で車検を受けませんか」という予約の呼びかけを含みます。料金や特典、予約ページへのリンクを載せれば、広告・宣伝の要素はさらにはっきりします。実務では、車検案内のメールやSMSは特定電子メールに当たる前提で運用しておくのが安全です。
車検案内のメール・SMSは特定電子メールとして扱う
特定電子メール法の対象は、営利団体や営業を営む個人が広告・宣伝の手段として送るメールで、総務省・消費者庁のパンフレットでは、電話番号で送受信するSMSも対象と明記されています。同ガイドラインは、取引上の条件を伝える事務連絡や料金請求のお知らせで、広告・宣伝の内容もサイトへの誘導も含まないものは特定電子メールに当たらないとしています。ただ、整備工場の車検案内は予約の呼びかけや料金、特典、予約ページへのリンクを含むことが多く、広告・宣伝の要素を持ちます。迷う余地を残さないよう、車検案内のメールとSMSは特定電子メールに当たる前提で、同意の取得と表示を整えてから送るのが安全です。
特定電子メール法のオプトイン方式と例外
特定電子メール法の原則は、あらかじめ同意した相手にだけ広告・宣伝メールを送れる「オプトイン方式」です。同意がなければ送れません。例外もあります。
例外として、同意がなくても送れる場合がパンフレットに挙げられています。主なものは4つです。
| 同意なしで送れる例外 | 整備工場での見方 |
|---|---|
| 取引関係にある者に送る場合 | 継続して入庫している顧客は当たりうる。一度来店しただけの方は必ずしも当たらない |
| 名刺などの書面で自分のメールアドレスを知らせてきた者に送る場合 | 法人顧客の担当者から名刺を受け取った場合など |
| メールアドレスを知らせてきた者に、同意確認のメールや、契約・取引の履行に関する通知に付随して広告を載せるメールを送る場合 | 見積りや予約確認のメールの末尾に、短く案内を添える場合など |
| メールアドレスをインターネットで公表している団体や営業を営む個人に送る場合 | 法人の公表アドレス。送信を拒む旨も公表されていれば送れない |
気をつけたいのは「取引関係」の範囲です。思ったより狭いのです。ガイドラインは、取引関係にある者を、明示の拒否がなければ広告・宣伝メールが送られることを許容していると社会通念上認められる関係にある者、と説明しています。そのうえで、商品やサービスの購入については、一度の購入だけでは必ずしも継続的な関係にあるとはいえないが、以後の取引が予定されている場合には取引関係にあるといえる場合もある、としています。
線引きは個別に判断されるので、整備工場の実務では「例外に当てはまるか」を毎回考えるより、受付の段階で同意をもらっておくほうがずっと簡単です。
オプトインが原則、取引関係の例外は狭く読む
特定電子メール法は、あらかじめ同意した相手にだけ広告・宣伝メールを送れるオプトイン方式が原則です。例外として、取引関係にある者、名刺などの書面でアドレスを知らせてきた者、アドレスを公表している団体や営業を営む個人などには同意なしで送れる場合があります。ただし総務省・消費者庁のガイドラインは、商品やサービスを一度購入しただけでは必ずしも継続的な取引関係とはいえず、以後の取引が予定されている場合に取引関係といえる場合もある、としています。一度だけ来店したお客様に例外を当てはめるのは危ういので、整備工場では受付票で案内の送付に同意をもらい、記録しておくのが確実です。
同意の取り方と同意の記録の保存
同意は、受付票や入庫時の申込書でもらうのが手軽です。紙1枚で足ります。「車検・点検の時期のご案内やキャンペーンのお知らせを、メールまたはSMSでお送りしてよろしいですか」といった欄を設け、チェックと連絡先を書いてもらいます。何を送るのかがわかる書き方にしておくと、後で行き違いが起きません。難しい文言は要りません。
次は記録です。同意を受けたら、その記録を保存する義務があります。パンフレットによると、保存するのは、個別のメールアドレスについて同意を受けたときの状況を示す記録(時期と方法など)です。書面で同意を取った場合は、アドレスのリストに加えて、その書面に記載した定型的な事項を保存する方法も認められています。
- 保存するもの:同意を受けた時期と方法(例:2026年10月8日、入庫時の受付票で同意)
- 書面で取った場合:アドレスのリストと、受付票に印刷した同意文の文面
- 保存期間:その相手に最後に広告・宣伝メールを送った日から1か月(措置命令を受けた場合は1年)
台帳に「同意あり/同意日/同意方法」の欄を作っておけば、記録と送信対象の抽出を同時に済ませられます。顧客台帳の整え方は車検案内の手段の使い分けでも触れています。
同意の記録は時期と方法を残す
特定電子メール法では、広告・宣伝メールを送る相手から次は記録です。同意を受けたら、その記録を保存する義務があります。総務省・消費者庁のパンフレットによると、保存するのは個別のメールアドレスについて同意を受けたときの状況を示す記録で、時期と方法などが当たります。受付票などの書面で同意を取った場合は、アドレスのリストと、書面に記載した定型的な同意文を保存する方法も認められています。保存期間は、その記録に関わる広告・宣伝メールを最後に送った日から1か月で、措置命令を受けた場合は1年です。整備工場では顧客台帳に同意の有無、同意日、同意方法の欄を作ると、記録と送信対象の抽出を一度に済ませられます。
特定電子メール法の表示義務
同意を取って送る場合でも、メールやSMSの中に決まった事項を表示する義務があります。忘れがちな部分です。パンフレットに挙げられている主な表示事項は次のとおりです。
| 表示する事項 | 車検案内での書き方の例 |
|---|---|
| 送信者などの氏名または名称 | 【このメールの送信者】◯◯自動車整備工場 |
| 受信拒否の通知ができる旨 | 配信停止をご希望の方は下記までご連絡ください |
| 受信拒否の通知を受けるためのメールアドレスまたはURL | 配信停止はこちら:◯◯(受信拒否ができる旨の直前か直後に置く) |
| 送信者などの住所 | ◯◯県◯◯市◯◯(リンク先に載せることも可) |
| 苦情・問い合わせを受け付ける電話番号、メールアドレス、URL | TEL ◯◯(リンク先に載せることも可) |
住所と問い合わせ先はリンク先での表示も認められていますが、その場合は表示場所を示す情報をメールの中に入れる必要があります。SMSは文字数が限られるので、店名と配信停止の方法を本文に入れ、住所や問い合わせ先は店のサイトのページにまとめてリンクする形が現実的です。送信者情報(送信に使ったメールアドレス、IPアドレス、ドメイン名)を偽って送ることは禁止されています。当然の決まりです。
SMSの具体的な文面は自動車業界のSMS例文・テンプレート集が参考になります。
表示義務は送信者名と配信停止の方法から
特定電子メール法では、同意を得て送る広告・宣伝メールにも表示義務があります。総務省・消費者庁のパンフレットに挙がっている主な事項は、送信者などの氏名または名称、受信拒否の通知ができる旨、受信拒否の通知を受けるためのメールアドレスまたはURL、送信者などの住所、苦情や問い合わせを受け付ける電話番号などです。受信拒否の通知先は、受信拒否ができる旨の直前か直後に置きます。住所と問い合わせ先はリンク先での表示も認められていますが、その場合は表示場所をメール内に示します。文字数の少ないSMSでは、店名と配信停止の方法を本文に入れ、残りは店のサイトの1ページにまとめてリンクする形が使いやすいでしょう。
配信停止の扱いと特定電子メール法の罰則
止める決まりもあります。同意をもらったお客様でも、受信拒否の通知を受けたら、以後は広告・宣伝メールを送れません。パンフレットは、後日争いにならないよう、受信拒否の通知を受けた記録を残すよう求めています。台帳の「同意あり」を「配信停止」に切り替え、日付を入れておきます。
例外として、契約や取引の履行に関する通知に付随して広告・宣伝が行われる場合などは、受信拒否の後でも送れるとされています。予約確認の連絡そのものは送れますが、その末尾に車検キャンペーンの案内を大きく載せるような使い方は避けたほうが無難です。線引きで迷う使い方はしません。
違反した場合、同意のない者への送信や表示義務違反、受信拒否者への送信には、総務大臣と内閣総理大臣による命令が出され、命令に従わないと罰則の対象になります。法人には3,000万円以下の罰金が定められています。送信者情報を偽った送信は、命令を経ずに罰則の対象です。
配信停止を受けたら以後は送らない
特定電子メール法では、同意をくれたお客様でも、受信拒否の通知を受けたら以後は広告・宣伝メールを送れません。総務省・消費者庁のパンフレットは、後の争いを避けるため、受信拒否の通知を受けた記録を保存するよう求めています。整備工場では台帳の同意欄を配信停止に切り替え、日付を残します。違反した場合、同意のない相手への送信、表示義務違反、受信拒否者への送信は総務大臣と内閣総理大臣の命令の対象となり、命令に従わなければ罰則が科され、法人には3,000万円以下の罰金が定められています。送信者情報を偽った送信は、命令を経ずに罰則の対象になります。点検案内など車検以外の案内をメールやSMSで送る場合も、扱いは同じです。
車検案内をメール・SMSで送るときの手順
- 受付票に、案内の内容と送付方法(メール・SMS)を書いた同意欄を設ける
- 同意を受けたら、台帳に同意日と同意方法を記録する
- 送る文面に、店名、配信停止ができる旨と連絡先、住所と問い合わせ先(またはその掲載ページ)を入れる
- 送信対象は「同意あり」かつ「配信停止なし」で抽出する
- 配信停止の連絡を受けたら、その日のうちに台帳を切り替え、記録を残す
同意のないお客様や、メールアドレスや携帯番号を店に伝えていないお客様には、はがきや電話で案内します。電子の手段だけでは全員に届かないので、はがきを土台にして、同意のある方にだけ電子の案内を重ねる組み立てが無理がありません。個人情報の利用目的の伝え方はDMと個人情報で扱っています。
はがきの部分は外に出すこともできます。点検案内の出し方は定期点検(12ヶ月点検)の案内の出し方と文例で紹介しています。日本カーネットの車検・点検案内ハガキの発送代行は、宛名の差し込み印刷から投函までを1通120円〜(別途初期費用)で代行します。はがきは特定電子メール法の対象外ですが、個人情報の扱いには別の決まりがあります。
整備システム・整備ソフト DREAM POWER では、同じ基本契約でハガキ(3つ折りの圧着ハガキ)の発送代行とSMS配信を使え、オプションで条件を決めて自動で送ることもできます。自動で送るSMSは1通70文字までです。短い文面でも表示義務は変わらないので、店名と配信停止の連絡先を本文に入れ、住所や問い合わせ先は店のサイトのページにまとめる形にしておきます。送る相手を同意のあるお客様に絞るのは、ご自身の台帳の側で行います。
よくある質問
- SMSも特定電子メール法の対象ですか?
- 対象です。総務省・消費者庁のパンフレットは、携帯電話やスマートフォン同士で電話番号を使ってメッセージを送受信するサービス、例えばSMSも対象になると明記しています。
- 一度車検を受けたお客様には同意なしでメールを送れますか?
- 取引関係にある者は例外に当たりますが、ガイドラインは一度の購入だけでは必ずしも継続的な関係とはいえないとしています。例外に頼らず、受付で同意をもらって記録しておくのが確実です。
- 同意の記録はいつまで保存すればよいですか?
- その相手に最後に広告・宣伝メールを送った日から1か月です。特定電子メール法にもとづく措置命令を受けた場合は1年になります。
- 車検の満了日だけを知らせるメールも同意が必要ですか?
- 広告・宣伝の内容を含まず、予約ページなどへの誘導もしない純粋な事務連絡であれば、ガイドライン上は特定電子メールに当たらない場合があります。ただ、車検案内は予約の呼びかけを含むことが多いので、同意を得て送る前提で運用するほうが安全です。
- 自動車整備システムで同意の有無を管理できますか?
- 自動車整備システムや整備ソフトの顧客台帳に、同意の有無と同意日、配信停止の欄を設ければ管理できます。整備ソフトのおすすめを比べるときは、案内の対象抽出でこうした条件を使えるかも見ておくと運用が楽になります。整備システム・整備ソフト DREAM POWER では、車検点検案内の画面から案内はがきの発送代行を依頼できます。
出典・参考資料
- 総務省・消費者庁「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律のポイント」
https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/d_syohi/pdf/m_mail_pamphlet.pdf - 総務省・消費者庁「特定電子メールの送信等に関するガイドライン」
https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/d_syohi/pdf/m_mail_081114_1.pdf - 総務省「迷惑メール対策」(電気通信消費者情報コーナー)
https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/d_syohi/m_mail.html
記載内容は2026年10月7日時点で公表資料を確認したものです。郵便料金・制度は改定されることがあるため、最新の内容は日本郵便・所管官庁の公表資料でご確認ください。
車検・点検の案内ハガキ、出すのはワンクリックだけに。
宛名の印刷、切手の貼付、投函までを代行します。1通120円〜(別途初期費用)、月曜から土曜まで発送、受付から最短3日でお客様に届きます。整備システム・整備ソフト DREAM POWER の車検点検案内の画面から、そのまま発送を依頼できます。
お電話:03-5256-7877平日 9:00〜12:00・13:00〜18:00









